Yodaka Star Track

どうしようもないこと

公開日:2022年11月30日

個人

ルール

僕が毎月書いているこのブログを先月書かなかったのは決して面倒臭くなったからではない。 単純に仕事やらなにやらで忙しかったからだ。 先月は人生で初めてLTもして、そのおかげで毎月上げていた技術記事も出せなかった。 まぁでも言い訳だ。自分で決めたことを守り続けるのは難しい。 幼い頃父に連れられて見た映画の忍者ハットリくんはこんなことを言っていた。 「掟だから守るんじゃない、自分で守ると決めたから守るんでござるよ」 これは自分の中で大きなマインドチェンジだった。 ルールとは本来自分に従属するものではなく、自分が従属しなければならないものだった。 この言葉はそれを逆転させる発想だった。 逆に言うと簡単にルールを守ると決めてはいけない、守れないルールには抗う必要があるというのも大事な視点だと思う。 まぁそんな言葉を武器にして僕は自分に課したことを今まで続けてきた。

生活

ここ最近では彼女と同棲する家が決まり、引っ越しの準備をしている。 それから北海道にも行ったし、今これを書いているのはハワイに行く飛行機に乗る前のラウンジである。 ESTAの申請で代行業者と一悶着あったがまぁなんとかなった。 生活は続き、時間は進み、僕らは歳をとる。 世界では戦争が起き、人が死に、僕らはプログラムを書いている。 仕事ばかりしていると本当に大切なものがなにか忘れてしまう。 美味しいご飯を作ってくれる彼女、人を動かす映画、心を癒す小説、詩。 いつか死ぬということ、それが明日かもしれないということ。 それが訪れるのは自分ではなく、自分の大切な人かもしれないということ。 でも仕事ばかりしていればそういうどうしようもないことを考えなくて済む。 大切なことはどうしようもないことなのだ。 わかるかな。

芸術

どこかの環境保護団体がゴッホのひまわりにトマト缶をぶっかけたらしい。 きっとかなり恵まれた人たちなんだろう。 そういう人たちに芸術の良さはわからない。 というか、「人間を、心を救う芸術」があることはわからない。 どうせ芸術のことを単なる金融資産としか見られないんだ。 だから芸術を壊していいという発想に至る。 僕は過激思想なので、芸術は人間よりも尊いと思っている。 というか人間は対して尊くないし、全員滅ぶべきだと思っている。 でも芸術は尊い。 人間は嫌いだけれど、人間の作るものはとても美しい。 そこには全て芸術が宿る。神が宿る。 神さまはやはり人間が作り出したものだから尊い。 もし神様がいるとしたら〇〇××してやりたいが。 まぁとにかく最近触れた芸術の話をしたい。 ネタバレはしないので安心して欲しい。

すずめの戸締まり とても良かった。新海誠の集大成感がすごい。 ザ・セカイ系という感じ。 村上春樹の「かえるくん、東京を救う」も読んでみて欲しい。

蜂蜜パイ 「かえるくん、東京を救う」も入っている村上春樹の短編集「神の子どもたちはみな踊る」に入っている。 遠回りをしすぎたら失ってしまうことがあるこの世の中で、 世界と自分との折り合いをつけるのがとても難しい世の中で、 最後にちゃんと大切なことに気づけたら、新しい朝がくることもあるんだなと思った。

三行半 cadodeの曲。 「あの時空いた穴が痛いからまだ行けない あなたが今幸せならそれでいいから」 「あなたに会いたい 明日が怖いからまだ寝れない 幸せだった時の夢はやるせないから」 僕があの子に思っているすべてだった。 幸せだった時の夢はやるせないんだ。

どうしようもないこと

よくどうにもならないこと、自分の力では変えられない範囲のことで悩むのは辞めなさいと人が言っているのを聞く。 僕に言わせてみれば。大事なことのほとんどはどうにもならないことばっかりだ。 生きるのには常に無力感が付き纏う。 大切なことは僕の力の及ばないところでゆっくりと芽を伸ばし、葉をつけ、蔦を伸ばしている。 僕がそれを認識した頃には、蔦は僕の体をぐるぐる巻きにして、僕の心を縛り付けている。 それは時間の不可逆性のようにどうしようもないことだ。 例えば僕と出会う前の大切な人の過去や、自分を愛してくれない人を愛してしまうこと。 好きなアーティストが女性を殴って捕まることや、準備した大行事が自然災害や感染症で潰されること。 僕が毎日努力をしたって人が人を傷つけるのを止めることは出来ない。 自然もそうだ。 だからどうにもならないことで悩むななんて言えない。 それは大切なことだから君はとても悩むべきだし、一つ一つ決断をしていかなくちゃならない。 でも君は決断をすれば間違いなく前に進める。 どんなにどうしようもない人生でも時間は残酷に前に進む。 どうしようもないことでがんじがらめになっても君が踏み出す一歩は確かな一歩として距離を伸ばす。 君の痛みもわからないやつに、君の痛みを評価させるな。 でも君の大切な人が蔦でがんじがらめになっている時は、解いてあげて欲しい。 例えその人にとっての君が、君には訪れないとしても。 助けた人に裏切られたとしても。 そんな君の人生を僕が誇ろう。 最後に何にもなくなっても、君の美しさを僕が誇ろう。 どうにもならないことをどうにもならないままで生きよう。 君が誇れる君であること。君が愛せる君であること。 君が嫌いなあいつみたいな君じゃないこと。君が許せない君ではないこと。 それが大事じゃないか。