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詩とエッセイ

公開日:2022年05月21日

エッセイ

前書き

鬱と躁を行ったり来たりして書いた詩というか走り書きたちを公開します。 結構今読み返して見るとキモいし、完全に壊れてて面白い。 曲にする詩としない詩の違いはあんまりなくて、僕は曲を作る時は曲と詩を一緒に作るのでそれだけの違い。 でもここにあげたのは正直詩というか本当に走り書きで詩を作るために作ったというよりはなんでも良いから書かなきゃ!と思って書いたものがほとんど。 なのでここにあげられないレベルのものがまだあったりする。笑 いやー幸せになれるといいね、僕。 こんな詩なんて二度と書かなくて良いくらいにさ。 みんなもこんなおかしなブログなんて読んでないでどうか幸せになってね。

文が書きたい。 なんでも良い。世界についてでもいいし、ガラス玉についてでも良い。 神経症についてでも良いし、あの子についてでも良い。 これがなんなのかわからないが、とにかく書くことは僕を癒す気がする。 いや、正確には癒すわけではない。 胸の内から堰を切ったようにとめどなく溢れてくるものが文章となって吐き出されるのを待っているのに近い。 衝動に近い。あるいは反射に近い。 カフェインのせいかもしれない。もしくは躁状態のせいかもしれない。 時々「君」と書いてしまう。 それは汚れに等しい。僕にこびり付いている。呪いにも近い。 「君」は特定の誰かではない。 3年付き合っていた聡明な彼女でもないし、4年付き合った家族のような気持ちになれた女の子でもなければ、たった数ヶ月で僕の人生を1つ終わらせたあの子でもない。 それら全てではなく、それら全てが「君」である。 「君」は唯一絶対で、僕の中にしかいない。 言うなれば、「君」は僕にとって神である。 が、僕には神はいない。無神論者的な意味で捉えてもらって構わない。 つまり「君」は存在しない。 でも「君」は僕の内的世界に確かに存在する。 そこは宮沢賢治の描いたイーハトーブ的なところと言って差し支えない。 そこにしか「君」はいないし、全てにも君はいる。 「君」の居場所について話すのはここまでにしよう。 「君」がどういう概念であるか話そう。 「君」は僕にとって神である。 この取るに足らない人生を、薔薇色に染めてくれるような。 乾いた砂漠に現れたオアシスのような。 悪夢から目を覚まさせてくれる誰かのような。 ある時は美女の形をしていて、ある時は世界そのものだったりする。 或いは「君」を通して世界を見ることが出来る。 「君」を通して僕は世界の美しい部分も儚い部分も醜い部分も見る事が出来る。 望遠鏡であり、万華鏡であり、顕微鏡である。 ミクロであり、マクロである。 「君」は僕のイマジナリーフレンドではない。 記号であり、象徴である。 抽象化された概念である。 それが僕が最も美しく思い、恋焦がれ、儚く思い、守りたくもあり、汚したくもあり、思い出であり、生であり、手に届かず、されどここにある「君」である。 そして僕はずっと「君」を

蒸気機関車

僕は蒸気機関車である 石炭の代わりに夜を燃やす シリンダーに送るのは蒸気ではない 言葉だ

僕はずっと追われている 過剰な不幸に溢れるこの世界への憎しみ 喪失から来る悲しみ 感情を制限できない苦しみ そして 獣のように僕の身体を駆け巡り 心を破壊して行く孤独

僕は追いつかれないように夜を焚べる

狭く暗い部屋の中で 感情に為す術なく 朝を待つことしか出来なかったあの夜や

自転車に乗っている時 風呂場でシャワーを浴びている時 不意に理由もなく涙が溢れ 止めることが出来ずに 座り込んでしまったあの夜

誰かに電話を何度もかけたあの夜

そんな夜を燃やして僕は走る 気付けば随分遠くまで来た 夜は無くならない

僕は止まらない 君や希望や愛や成功や慈しみや喜びや そんな全ての駅を一瞬で過ぎ去る もうそんなところにはいない そんなところには行かない 後ろ髪を引かれるようなことはない 何もいらない

何が目的で どこがゴールで なんのために走っていて 何がしたくて そんなことはもうどうでもよかった

夜を燃やして夜通し走る 走れど夜は明けない 僕はふと朝焼けが見たいと思う 何もかもを燃やし尽くして 灰になった自分が朝焼けに照らされ 風に飛ばされる様を見たい

だってそれはきっと とても美しいだろうから

呪い

君が僕にかけたのは魔法なんかじゃない

呪いだ

たちが悪いのは

僕が望んで呪われたということだ

この呪いは僕に

毎日君を思い出させる

君の言葉がフラッシュバックする

そして死ぬまで解けない

君が戻って来て

この呪いを解いてくれないと

僕は毎日少しずつ心を壊される

でもこのままでも良いと思う自分もいる

この呪いがあれば

永遠に君は僕の中で生き続ける

僕は君を忘れないし

君のことだけを考えていれば良い

一途でいられるんだ

純愛ってそういうものなのかもね

本当のことを探している

本当のことを探している

愛だとか人生だとか目に見えないものがそうなのか

心が存在するのかを考えている

しないのならこの痛みは何と呼べば良いのだろう

辛いことばかりが本当に見えるのは

幸せがあまりに遠いからで

悲しいことばかり考えてしまうのは

大切なものを失い過ぎたから

毎日少しずつ耐えられないことが増えて

それでも生きてるだけで偉いなんて

言えないよな

だってみんな生きてるじゃあないか

大丈夫って言ってくれる誰かを

僕はずっと探してたんだ

でも今じゃ僕は僕に大丈夫って言う毎日で

それでも生きていく意味を

死なない理由を

つまりあなたを探してたんだ

でももう何も失いたくないんだ

だからあなたを手に入れるのはやめるよ

僕は大丈夫と今日もつぶやく

本当のことはきっと

僕が手に入れられないことの中にある

夕暮れ時

夕暮れ時

スーパーで買い物をする若い男女を見た

帰り道

桜が散っている

僕は思う

君はもう逝ってしまったんだろうか

僕はどうしたら君に求めていたものを思い出せるんだろうか

何もわからなくなってしまった

マンションの住人の恋人らしき女がインターフォンを押している

僕はそれに失ったものの影を見た

きっとそれにはもう触れない

もう今じゃなにが欲しかったのかさえわからない

廊下には誰かの香水の残り香

君が香水をつけていなくてよかった

チラシを捨てる

チラシでいっぱいのゴミ箱

悲観的な考えに手足を動かされる僕

死にたいと思うわけじゃない

消えたいと思う毎日

ただこの失ってばかりの人生

終わらせたい今日を

心を捨てろ

心を捨てろ コードを書け 詩を書け 音楽を書け 息が出来なくて涙が止まらなくてどうして良いか分からなくなったあの夜を燃やしてかがり火にしよう 生きているのだから なんだって出来る 恋人が全てじゃない おれはなんだって出来る 今や愛が必要かどうかなんて考えない やりたいことをやれ 行きたいところに行け 愛されるかどうかは結果でしかない 結局人は独りだから 誰と居るか、誰に愛されたかじゃない 何を為したかだ 僕の価値はそこに置く 思い出なんていらない 前に進むための足があればいい 感傷に浸る必要はない 戻らないものに目を向ける時間はない 心を捨てろ コードを書け 詩を書け 音楽を書け 何かを為せ

走り書き

誰にも愛されなくても僕が信じている創作は素晴らしい

生きていれば良いことがあるってセリフは生きていて良いことがあったやつにしか言えないよな

僕の書く詩は 僕の凡庸さを証明するのに十分な質量を持ち そのくせ大切なことは何も伝えない

いつも人生に選ばなかった方の道のツケを払わされている

君と会ってから 君と会っていない時間は全て 君と会うまでの暇つぶしになった